2022年に日本に上陸したヒョンデ (旧ヒュンダイ)。
実は同社は過去に日本から撤退した過去がありました。
ヨーロッパやアメリカと異なり、国土が小さく道幅も狭い。
それでいて自国メーカーは世界でも名を馳せる強豪だらけと、独特な市場である日本。
ヒョンデ以外にも、過去にいくつもの自動車メーカーが撤退しています。
本記事では、日本市場から撤退したメーカーの一部を解説します。
フォード
アメ車の代表格であるフォードは、実は日本市場から撤退済みです。
フォードは1979年にマツダと資本提携を行って以降、日本でのビジネスを展開してきました。
しかしフォード社自身が2000年代後半に経営危機に陥ったこともあり、2015年にはすべてのマツダ株式を売却し、資本提携を解消してしまいます。
さらに2016年には日本市場からの撤退を発表。
BBCによると、フォードは撤退時の声明で次のように述べたようです。
In a statement, Ford spokesman Neal McCarthy said: “Japan is the most closed, developed auto economy in the world, with all imported brands accounting for less than 6% of Japan’s annual new car market.”
出典: BBC
(声明では、フォードのスポークスマンであるNeal McCarthyは次のように述べた。
「日本は世界で最も閉鎖的かつ発達した自動車社会であり、日本の年間新車販売に占める輸入車メーカーのシェアは6%未満しかない。」)
本国とは地理や文化が大きく異なる日本。
何より、日本車の信頼性とコストパフォーマンスを打ち破るのは難しかったのかもしれません。
ダッジ
続いてもアメリカの自動車メーカー・ダッジ。
アメ車のイメージ通り、大排気量でスポーティなクルマで有名です。
ダッジは、クライスラーの一部門として2007年に日本に正規参入しました。
しかし2009年には大本のクライスラーが連邦破産法第11章の適用を申請。
これにより傘下のダッジも日本への新規モデル展開が凍結。
そのまま2011年にはすべての正規輸入が終了してしまいました。
オペル
ドイツの自動車メーカー・オペルも日本から撤退しています。
BMWやメルセデス・ベンツなどと比べると知名度は落ちるかもしれませんが、比較的リーズナブルなドイツ車として知られています。
オペルは戦前から断続的に日本で輸入販売が行われていましたが、やはり他のドイツ車と比べるとキャラクターが薄く、販売が不振に。
加えて当時親会社だったGMの経営不振も重なり、2006年に日本市場から撤退してしまいました。
そんなオペルですが、2022年に日本に再参入することが決まっています。
ハッチバックの「CORSA」、コンパクトSUVの「MOKKA」、フラッグシップSUVの「GRANDLAND」の3車種がデビューする予定で、日本語の公式サイトもオープンしています。
オペルの16年越しのリベンジに注目です。
ヒョンデ (旧ヒュンダイ)
最後はお隣韓国のクルマ・ヒョンデ。
同社は2001年に日本市場に参入。
「ヒュンダイを知らないのは日本だけかもしれない」というキャッチコピーでPRが行われました。
しかし日本におけるブランドイメージ確立に失敗してか、販売は不調。
2010年に日本の乗用車市場からは撤退しました。(観光バスの販売は継続)
Car Watchによれば、2001年〜2009年までの日本での累計販売台数は約15,000台にとどまっていたようです。
ところが2022年、より原音に近い「ヒョンデ」とブランド名称を改め、日本市場へ再参入。
スタイリッシュな電気自動車「IONIQ 5」は話題を呼びました。
今回はAnycaとタッグを組み、カーシェアリングを通じて長時間の試乗も可能にしており、ユーザーからの評判も上々なのだとか。
まとめ
数々の自動車メーカーが成功を夢見て参入する日本。
しかし強力なライバルたる日本車勢を押しのけ、日本国内でブランドを確立するのはかなり厳しい道筋のようです。
装いを新たに再チャレンジするオペルやヒョンデの活躍に期待ですね。
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