赤坂や六本木でたまに見かける青いナンバー。
「外」「領」などの漢字が書かれており、通常のナンバーとは見た目が異なります。
今回は、ある意味で「最強のナンバー」とも呼ばれる青ナンバーを掘り下げてみます。
青ナンバーをつけているのはどんなクルマ?
「外」「領」「代」といった文字がついた青ナンバーの車両は、大使館や領事館に関係する車両です。
ちなみに青ナンバーの上2桁 (5桁ナンバーの場合は上3桁) は国ごとに割り振られており、どの国のクルマなのか知ることができます。
例えばナンバーが「82xx」ならアメリカ、 「27xx」ならフランス、「91xx」なら中国の大使館・領事館に関係するクルマということになります。
青ナンバーが「最強」である理由
青ナンバーのクルマは、ある意味で「最強」と言われることがあります。
それは、日本の法律が適用されないクルマだから。
第二十九条 外交官の身体は、不可侵とする。外交官は、いかなる方法によつても抑留し又は拘禁することができない。接受国は、相応な敬意をもつて外交官を待遇し、かつ、外交官の身体、自由又は尊厳に対するいかなる侵害をも防止するためすべての適当な措置を執らなければならない。
出典: 外交関係に関するウィーン条約
第三十一条 1 外交官は、接受国の刑事裁判権からの免除を享有する。外交官は、また、次の訴訟の場合を除くほか、民事裁判権及び行政裁判権からの免除を享有する。
出典: 外交関係に関するウィーン条約
通称「ウィーン条約」は、上記のような条項で外交特権・領事特権を規定しています。
そのため仮に青ナンバーのクルマが道路交通法などに違反したとしても、ドライバーを逮捕したり、裁判を起こしたりすることはできないのです。
また日本の法律が適用されないクルマなので、自動車税やガソリン税などの負担は原則なく、車検も必須ではありません。
とはいえ外務省は「十分な補償ができる任意保険」へ加入しない限り青ナンバーを発行していないようなので、万一青ナンバーのクルマが事故を起こした際の補償はされるようです。
「最強」ゆえの問題も
いくら外交特権・領事特権で守られているとはいえ、やりたい放題は許されません。
警視庁のデータによると、2020年における青ナンバー車両の駐車違反件数は1,137件。
2018年の3,948件、2019年の2,615件を踏まえると減少傾向にあるようですが、大使館・領事館は日本の限られた地域にしか置かれていないことを考慮するとまだまだ多いと言えるでしょう。
(統計は、後述する外務省の報道発表から抜粋)
こうした問題を受け、外務省が2021年に新たな措置を発表しました。
警察庁と連携して、繰り返し違反を行う車両について、個別に注意喚起し、違反金納付を更に強く求めることとしました。
出典: 駐日外交団車両による駐車違反問題に係る措置について
また、国際法及び国内法令に従って実施している駐日外交団車両に対するガソリン税免税措置に関し、外務省が該当車両に対し免税購入のための証明書を発給する際、違反金の納付を確認することとしました。
駐車違反金を未納付の場合、ガソリンの免税措置を受けにくくなるようですね。
特権がある立場とはいえ、マナーとして駐在国の法律にしたがっていただきたいものです。
青ナンバーの種類と意味
あまり見かけることのない青ナンバー車。
一見同じように見えますが、青ナンバーには4つのバリエーションがあります。
通常の外ナンバー
最も一般的な青ナンバー。
基本的にはこのナンバーを見かけることが一番多いのではないでしょうか。
外ナンバーは、外交団用のクルマに付けられています。
丸に外ナンバー
続いては「外」を丸で囲ったナンバー。
この丸外ナンバーは、大使 (特命全権大使) のクルマに付けられています。
大使 (特命全権大使) とは、外交団の中でも最上級の階級のこと。
したがって通常の外ナンバーよりも珍しいと言えそうです。
代ナンバー
代ナンバーは、代表部のクルマに付けられます。
代表部とは、国や国際組織を代表して外国に駐在する機関のこと。
日本には欧州連合代表部、オレゴン州政府駐日代表部、バイエルン州駐日代表部、といったものがあります。
領ナンバー
領ナンバーは、領事団用のクルマに取り付けられています。
領事とは、「通商促進・自国民保護のために、外国に設置される役職」のこと。
領ナンバーのみ白地なのがユニークですね。
なかなか珍しい青ナンバー。
見かけた際は、どこの国のどんな役割の人が運転しているのか、想像してみるのも楽しいかもしれません。
話のタネになりましたか?
コメント
コメント一覧 (1件)
私が見かけた青ナンバーは「〇〇市 厚真町〇〇-〇〇」でしたけど、根本的に違いますよね?
私の運転していた軽自動車より小さかったです。