経営安定化や事業拡大のために、多くの企業が経営の多角化を行っています。
身近なところだと、ミスタードーナツをダスキンが経営していたり、ローソンが三菱商事の子会社だったり。
実は、同じようによく知っている自動車メーカーも関連会社ではまったく別の商品を作っていることがあります。
今回はそうした”自動車メーカーの意外な関連会社”をご紹介します。
ボルボ
スウェーデンの自動車メーカー、ボルボ。
ボルボの関連会社では、船舶エンジンや発電機などを製造しています。
自動車メーカーとしてのボルボは、正確には「ボルボ・カー・コーポレーション」のこと。
現在同社の株式の多くは中国の浙江吉利控股集団が保有していますが、
もともとはスウェーデンのコングロマリット (複合企業) である「ボルボ・グループ」の乗用車部門でした。
ボルボ・グループは製造業のコングロマリットであり、
傘下の「ボルボ・ペンタ」という会社では船舶エンジンや発電機を製造しています。
乗用車のボルボの質実剛健なイメージに通ずるものがありますね。
ちなみに「ボルボ・トラック」や「ボルボ・バス」、「ボルボ建設機械」といった会社も傘下にあります。
またかつては「ボルボ・エアロ」という会社も存在し、航空機やロケットエンジンの開発を行っていました。
(2012年に別会社に買収されました。)
プジョー
続いてはフランスの自動車メーカー、プジョー。
美食の国のメーカーだけあって、プジョーの関連会社は調理器具のミルを製造しています。
おしゃれなステーキハウスやビストロに行くとよく目にする、曲線が美しいミル。
ミルの足の部分をよく見ると、ライオンのロゴが付いていた記憶はありませんか?
現在ミルを製造しているのは、「プジョー・サヴール (Peugeot Saveurs) 」という会社。
もともとはプジョーの工業部門でした。
ペッパーミルやソルトミルが特に有名ですが、コーヒーミルやカトラリーも販売しています。
プジョーがペッパーミルの生産を開始したのは1874年。(コーヒーミルに至っては1840年!)
自動車産業に進出したのは1890年ですから、ミル類を販売していた歴史のほうが長いことになります。
ちなみにプジョーはミルよりも前にノコギリの刃などを生産しており、
鋭い歯のイメージからライオンをエンブレムに起用したのだとか。
参考: プジョーについて – プジョー公式オンラインショップ
ランボルギーニ
言わずとしれたスーパーカーメーカー、ランボルギーニも意外なモノを生産しています。
それはなんとトラクター。
スーパーカーを作っているのは「アウトモービリ・ランボルギーニ」という会社ですが、
「ランボルギーニ・トラットーリ」という農業機材メーカーではトラクターを製造しています。
実は、そもそもランボルギーニの原点は自動車ではなくトラクターでした。
ランボルギーニの創業者フェルッチオ・ランボルギーニは第二次世界大戦後、
軍が放出したトラクターを民間向けに改造・販売するビジネスで富を築きました。
自動車好きだった彼は高級車のコレクターとなり、フェラーリも購入していました。
しかし当時のフェラーリの性能に不満を抱き、
自ら手を加えて改造していく中で、自動車メーカーの起業を考えたと言われています。
(※諸説あります)
ロールス・ロイス
最後はイギリスの高級車、ロールス・ロイスで締めくくりましょう。
荘厳・重厚・静粛といったイメージのあるロールス・ロイスですが、
意外にも航空機や船舶のエンジン、さらに発電機などを製造しています。
1906年に自動車メーカーとして設立されたロールス・ロイスは、1914年からは航空機エンジンも製造するようになりました。
しかしさまざまな事情が重なり1971年に経営破綻。
その後イギリス政府により国有化され、自動車部門は分社化されて売却。
いくつかの会社のもとを転々とした後、
現在はBMWの子会社である「ロールス・ロイス・モーター・カーズ」として高級車を製造しています。
一方で航空機エンジンなどを製造していた工業部門は国営企業として営業を続けますが、
1988年に再度の民営化を経て、現在は「ロールス・ロイス・ホールディングス」として活動しています。
ロールス・ロイス製のエンジンは民間航空機にも使われており、
飛行機の翼近くの席に座るとエンジンに印されたロールス・ロイス ロゴが見えることも。
フライトの際に探してみるのも面白いかもしれませんね。
まとめ
自動車メーカーはどうしても乗用車部門に目が行きがちですが、
調べてみるとさまざまなメーカーが経営の多角化を行っていることがわかります。
ファン活動の一環として、自動車メーカーの別部門の製品を買ってみるのも面白いかも?
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