風と自然を感じながら走るオープンカーは魅力的です。
いざ購入しようと調べてみると、車名に「コンバーチブル」「カブリオレ」「スパイダー」などさまざまな名称があることに気がつきます。
こうした呼び名によって何が違うのでしょうか?
今回はこうしたオープンカーの呼び名を掘り下げてみます。
コンバーチブル / カブリオレ
コンバーチブルもカブリオレも、「4人乗りで、屋根を開けられるクルマ」を表しています。
通常時は屋根が閉じていますが、屋根を開けるフォルム変えることができる (convertible) ということですね。
また基本的に後席がある4人乗りのクルマに使われる名称のようです。
どちらの呼び方も指している対象は同じですが、
コンバーチブル (convertible) は主にアメリカでの呼称であり、
カブリオレ (cabriolet) は主にヨーロッパ圏での呼称という違いがあります。
具体例を挙げてみると、
「フォード マスタング コンバーチブル」はアメリカ車なので定義通りコンバーチブル、
「メルセデス・ベンツ Cクラス カブリオレ」は、ドイツ車なのでカブリオレの名称になるのも納得です。
一方で、「ミニ コンバーチブル」はドイツ車ですがコンバーチブルという名称を用いています。
上記の定義は時代とともあいまいになってきているようですね。
ロードスター
続いてはロードスターです。
ロードスターとは、「2人乗りで、屋根を閉められるクルマ」を表しています。
コンバーチブルと異なり、屋根が開いている状態が基本。
これにより低重心化・軽量化にも寄与しているようです。考えてみれば、昔のレースカーも基本的にルーフレスです。
特定地域を意識した呼称というわけではないようですが、
「マツダ ロードスター」や「アウディ TTロードスター」「BMW i8ロードスター」のように、
2シーターのスポーティなオープンモデルによくつけられる呼称です。
スパイダー
スパイダーもロードスター同様に「2人乗りで、屋根を閉められるクルマ」を指します。
定義としてはロードスターと同一ですが、
「ランボルギーニ ウラカンスパイダー」「アウディ R8スパイダー」「フェラーリ F355スパイダー」のように
よりスパルタンなクルマに好んでつけられています。
スパイダーという名称になった理由は、「低重心で平べったい見た目が蜘蛛に似ているから」という説があります。
言われてみれば、どのクルマも地面を這う蜘蛛のように見えなくもありません。
ちなみに公式サイトによればF355スパイダーの綴りは「Spider (蜘蛛)」、R8スパイダーの綴りは「Spyder (造語?)」となっており、微妙なニュアンスの違いがあるようです。
Tバールーフ
Tバールーフとは、「左右ルーフをそれぞれ独立して取り外せるクルマ」を指します。
屋根を開けたときもルーフパネル中央部分は残存し、この形状がアルファベットのTに似ていることからこうした呼称になったようです。
フルオープンモデルに比べて製造コストがかからないうえ、オープン時の剛性が高いというメリットもあったようですが、90年代のロードスターブームに飲まれるようにして姿を消してしまいました。
現行モデルでTバールーフを採用している車種はありませんが、過去には「日産 フェアレディZ」などのメジャーな車種でも採用されていました。
タルガトップ
タルガトップとは、「フロント・リアウィンドウを残して、ルーフ中央のみを取り外せるクルマ」を指します。
最初にタルガトップを採用したクルマは1967年に発売された「ポルシェ 911 2.0タルガ」でしたが、この名称はポルシェが当時5連覇したレース「タルガ・フローリオ」に由来します。
もともとはオープンカー横転時の乗員保護のために生まれたスタイルですが、
美しいボディ形状は今でも人気が絶えません。
まとめ
今回取り上げた名称をまとめると上記のようになります。
一口に「オープンカー」と言っても多くのバリエーションがあり、そのそれぞれの歴史や経緯を調べるのは興味深いですね。
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