高級車の象徴「ボンネットマスコット(ボンマス)」が減っているのは歩行者のためだった。

ボンネットマスコット_2

高級車の象徴といえば、何を思い浮かべますか?
大きなボディ、複雑な造形、豪華な内装…
どれも正解だと思いますが、マンガや映画に出てくるような典型的な高級車をイメージすると「ボンネットマスコット」を思い浮かべるかもしれません。

格式高いマスコットがどっしりと鎮座する姿は、車内・車外どちらから見ても非常にエレガントです。
しかしこのボンネットマスコット、装着しているモデルは減少傾向にあります。
今回はその理由とともに、現在でもボンネットマスコットを装着している車種をご紹介します。

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ボンネットマスコットを付けたクルマが減った理由

結論から言います。
ボンネットマスコットを付けたクルマが減った理由は、「衝突時に歩行者を保護するために、国際的に法規制が強化されたから」です。

Newsweekの記事には次のように記載されています。

2005年、EUは自動車メーカーに対して正面衝突時の歩行者保護のための最小基準を満たすよう求めました。
様々な国に合わせて異なるボンネットを作るよりも、ボンネットの立体マスコットを取り払うほうが容易に安全基準を満たすことができたため、ジャガーを含む多くの国際自動車メーカーは立体マスコットを廃止するに至りました。

出典: Newsweek (筆者訳)

また日本においても「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」が改定され、2009年以降に登録されたクルマに対して以下の規制が追加されました。

自動車の外部表面には、外向きに鋭く突起した部分があってはならない。自動車の外部には、衝突時又は接触時に歩行者等に傷害を与えるおそれのある形状、寸法、方向又は硬さを有するいかなる突起を有してはならない。

出典: 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 (別添20 外装の技術基準)

多くの自動車メーカーはグローバル企業。
自国だけでなく、輸出先の法規制にも適合する必要があります。
あくまで装飾品のため、Newsweekの記事がいうように「様々な国に合わせて異なるボンネットを作るよりも、ボンネットの立体マスコットを取り払うほうが容易」と考えるのも自然です。

現在でもボンネットマスコットを装着しているクルマは?

ボンネットマスコット_2
ボンネットマスコットと聞いてまず浮かぶのは、ロールス・ロイスではないでしょうか。
アイコニックなマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」は同社のシンボルです。

法規制強化により廃止が進む中、以下のクルマは2022年現在においてもボンネットマスコットを採用しています。

  • ロールス・ロイス: 全モデル
  • ベントレー: フライングスパー
  • メルセデス・ベンツ: Sクラスの全グレード および Eクラスの一部グレード

これらのクルマはそれぞれマスコットに工夫を施すことで規制をクリアしています。

ロールス・ロイスとベントレーのマスコットは自動格納式。
マスコットに衝撃が加わると、自動でボンネット内に格納される仕様になっています。
ちなみにこの仕様はマスコットの盗難防止にも役立っているようです。

メルセデス・ベンツのマスコットは、衝撃が加わると倒れるように設計されています。

ボンネットマスコットは、現代でも高級車の象徴。

ボンネットマスコット_3
ボディ形状や性能は変わっても、高級車に求める価値観は意外と変わらないのかもしれませんね。

国際的な法規制の強化によりおそらく今後も減少の一途をたどると思われますが、どこかクラシカルでエレガントなボンネットマスコット。

マスコットが現存するモデルはいずれも高級車 (しかも上級グレード) であるだけに、メーカー側も「ボンネットマスコットは高級車の象徴」という考えなのかもしれません。

衝突時の安全性を高める工夫をしつつ、これからも残していって欲しいですね。

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