2023年1〜6月の乗用車新車販売台数ランキングの1位を飾ったのは、トヨタ ヤリス。
ヤリスクロスやGRヤリスといった派生モデルも有名ですが、今回はあえて”素”のヤリスをレビューします。
レンタカーやカーシェアにもよく採用される、ある意味では日本で一番売れているクルマ。
写真とともにお届けします。
どんな路地でも大丈夫。相当コンパクトなエクステリア。
おなじみのフロントマスクは、一目でヤリスとわかる独特の顔つき。
トヨタが採用するいわゆる「キーンルック」は採用していませんが、グリル中央部からボンネット上に伸びるラインが躍動感を感じさせます。
※キーンルックとは…
トヨタがグローバル展開車種を中心に取り入れているデザインのこと。
“keen” (英語で「鋭い」の意) の名の通り、フロントバンパー中央部のエンブレムから左右のヘッドライトまでを1本のラインで結んだデザインが特徴的で、カローラシリーズやGRヤリスなどに採用されています。
こちらはリア。
コンパクトカーながらリアシートの頭上空間も確保されており、ハッチバック形状になっています。
そのせいか少々リアはワイドに広がっているような印象を受けますが、左右に一直線に伸びるテールランプがスポーティなイメージも与えています。
テールランプはややスモークがかかっていてクールです。
特に今回の試乗車のカラー「ダークブルーマイカメタリック」と合わさると非常にコントラストが美しい。
これぞトヨタの基本形。必要十分なインテリア。
続いてはインテリア。
ステアリングは、近年のトヨタ車で広く採用されているおなじみのレイアウト。
クルーズコントロールやオーディオなどの操作も可能です。
試乗車のグレード「Hybrid X」ではウレタン製のステアリングを装備。
最上級グレードである「Hybrid Z」または「Z」では本革巻きステアリングが装備されます。
メーターはミニマムなデザイン。
中央にはマルチファンクションディスプレイが搭載され、表示内容は変更可能です。
フロントシートは背中部分とヘッドレスト一体型の独特なデザイン。
メーカー名や車名ロゴがないところが素敵です。
このシートはヤリス向けに専用開発されたもので、「プレミアムスポーティ」をコンセプトにしているのだとか。
永く乗っても古臭さを感じさせない優れたデザインです。
センターコンソールはカップホルダー2つと小物入れのみのシンプルな構成。
蓋付きの収納ボックスなどはありません。
また、サイドブレーキはレバー式。
シフトパターンは限りなくシンプルな一直線。
装飾などもないため少々物足りなさもありますが、コストカットに一役買っていると考えれば問題ないでしょう。
なお、「Hybrid Z」「Z」では本革巻きシフトノブとなります。
「Hybrid X」はハイブリッドグレードの中では一番下のグレードですが、ハイブリッド7インチのディスプレイ、ディスプレイ付きオートエアコンが標準装備となっています。
(ガソリンエンジンの最下位グレード「X」は、ディスプレイとマニュアルエアコンが標準装備)
カーナビはオプション装備ですが、ディスプレイはApple CarPlayおよびAndroid Autoに対応しているためスマホを繋いでナビ代わりに使うことができます。
お次はリアシート。
広いとは言えませんが、4ドア車なので乗り降りは問題ありません。
身長168cmの私が座ると膝がフロントシートに若干当たりますが、フロントシート背面はファブリック素材で弾力性があるため、少々膝が食い込んでも痛くはありません。
最後はトランクです。
今回の試乗車のグレード「Hybrid X」では、リアシート使用時の容量は270L。
ライバルのホンダ フィット、日産ノートはともには約330Lなので、ヤリスのトランクは少々物足りないかもしれません。
WLTC燃費は脅威の36.0km/L! それでも意外と加速力は十分です。
今回の試乗は一般道のみ・約20kmのショートドライブでした。
試乗して何よりも強く感じたのは、「東京において小さいことは正義だ」ということ。
周知の事実ですが東京は道幅が狭いだけでなく、路上駐車が多いため頻繁な車線変更が必須。
ボディサイズが大きいクルマだと取り回しに苦労することもしばしばですが、ヤリスの全幅はわずか1,695mm。
公道上だけでなく駐車場でもそのアドバンテージを実感します。
一方でパフォーマンスについて書くと、ノーマルモードは文字通りノーマルという感じ。
街乗りでは問題ありませんが、立体駐車場のスロープなどだと少々踏み込みが必要になります。
ところがパワーモードに変更するとモーターの力強い加速を味わえます。
アクセルの踏み込みと少しラグがありますが、パワーが必要なときはモードを切り替えるとよいかもしれません。
また、ハイブリッド車なので低速走行時はモーターのみで走行。
渋滞中などは車内が非常に静かで快適です。
総評
日本を代表するコンパクトカー、ヤリスをレビューしました。
感想をまとめると以下のようになります。
STRENGTH
- リッター36.0kmの驚異的な燃費
- どんな路地でも安心なコンパクトボディ
- 意外とスポーティなエクステリア
WEAKNESS
- ところどころコストカットされたインテリア
- ライバルと比べても小さめのトランク
トランクが小さいことは少し気になりましたが、
それ以外の点はコンパクトながらもよく考えられており、さすがという印象です。
レンタカーなどの一時利用はもちろん、マイカーとしても検討してはいかが?
スペック
メーカー | トヨタ | Toyota | |
モデル | ヤリス | |
グレード | Hybrid X (2021年式) | |
ボディサイズ | 全長3,940×全幅1,695×全高1,500mm | |
ホイールベース | 2,550mm | |
車両重量 | 1,050kg | |
エンジン | 1,490cc直列3気筒エンジン | |
最高出力 (エンジン) | 67kW(91ps)/5,500rpm | |
最大トルク (エンジン) | 120Nm(12.2kgm)/3,800〜4,800rpm | |
最高出力 (フロントモーター) | 59kW(80ps) | |
最大トルク (フロントモーター) | 141Nm(14.4kgm) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
駆動方式 | FF | |
燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | |
WLTC燃費 | 36.0km/L | |
トランク容量 (後部座席利用時) ※ | 270L | |
価格 (税込) | 201万3,000円〜 | |
メーカーサイト (税込) | https://toyota.jp/yaris/ |
※トランク容量はVDA法
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